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乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない

早いもので2021年2月1日をもちまして自由が丘シーズ歯科・矯正歯科開業10周年になりました。

まずはもう10年頑張っていきますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

これからもこのブログは診療の合間などにコツコツ書き続けていきます。

 

それでは今日は内容は

「乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない」

子供(小児期)の矯正相談時にかなり多いお悩みになります。

何度かこのブログでも取り上げていますが、原因にはいくつかあります。

原因とその対処法、治療法を考えてみます。

 

1、単純に永久歯の萌出スピードが遅い。

歯の生え変わりや永久歯の生えるスピードには個人差があります。生えるスピードが遅いだけなのでこの場合には待っていればそのうち生えてきます。気長に待ちましょう。レントゲンで経過観察を行うことが多いです。

 

2、そもそも永久歯が存在しない。永久歯の先天性欠損。

この場合には当たり前ですが、いつまで待っても永久歯が生えることはありません。レントゲンを撮影して初めてわかることが多いです。また、乳歯の時に先天性欠損もしくは癒合歯などがあった場合には欠損の可能性が高まります。先天性欠損の場合には将来的にどのような歯並びになるかを予想して、欠損部の隙間を矯正治療で閉じるのか、人工的なインプラントやブリッジの歯で補うのかを考えなければいけません。

 

3、永久歯の歯が生えるための隙間が小さくて、引っかかり生えてこない。

物理的に隙間がないとその場所には生えてこれないことになります。乳歯が邪魔をしている場合には乳歯を抜歯して生える隙間を作ることもありますし、矯正治療で隙間を広げて生えるのを待つこともあります。稀に隙間ができたのにも関わらず、永久歯が生えてこないこともあります。半年前のレントゲンと現在のレントゲンを比較して全く永久歯の位置が変わっていなかったら、歯茎を切開して矯正装置を装着し、引っ張ることもあります。(開窓牽引)

 

開窓牽引の治療例

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左上の5番目の歯が矯正で隙間を広げてもなかなか出てこない状況なのでCTで位置と角度などを3次元的に確認。

 

Project_20210203_000

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少しローテーションして、後ろの6番目の歯の方向へ傾いているのを確認しました。

 

IMG_0533

局所麻酔を行なった歯肉(歯茎)を切開して5番目の歯の歯面を出して、止血を行い歯面に矯正装置を装着してゴムで前方に引っ張ります。