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歯列矯正治療後の保定処置に使用するリテーナーはとても重要です。
歯は様々な力によって動く可能性がありますので、リテーナーは矯正担当医の指示に従い長期的に使用する必要があります。
今回は歯並びの後戻り防止に使用するリテーナーの種類について考えてみました。
まず取り外しが可能なマウスピースタイプと接着剤で歯に固定させる固定式タイプがあります。
マウスピースタイプは取り外して、歯磨きなどのお手入れがしっかりできますので虫歯や歯周病のリスクが低いです。その反面、使用時間を怠る、リテーナーを紛失するなど管理がしっかりできないと歯並びにズレが生じる可能性があります。
固定式タイプは取り外し時間などに依存せずに安定した固定が得られる反面、お手入れが難しくなるために虫歯や歯周病、歯石の沈着などのリスクが高まります。
それでは個々のリテーナーの種類を挙げてみます。
1、クリアリテーナー
透明な薄いシートでできたマウスピースタイプのリテーナーで歯を全て覆って固定します。透明なシートは素材がいくつかあり、硬くて透明度が高いもの(商品名Duranなど)、やや弾力があり乳白色のもの(商品名コピープラストCなど)、かなり柔らかいもの(商品名バイオプラストなど)が存在します。当院で矯正治療を行なった方には硬くて透明度が高いものを使用しています。柔らかくなるほど壊れにくく(割れにくく)なりますが柔らかくなりすぎるとホールド力が弱くなります。また厚みも0.5 0.625 0.75 1.0 1.5mmなどいろいろあります。当院では多くの場合には1.0mmの厚みにしています。歯の形や大きさ、歯茎の形状などによってキツさが変わってきます。
歯の噛み合わせの部分も覆われますので、歯ぎしりや食いしばりによって少しずつすり減って最終的に穴が空いてきます。割れたり穴が空きましたら、お早めにずれる前に再製作をした方が良いでしょう。ちなみに金属アレルギーの方はクリアリテーナーがおすすめです。
2、ホーレータイプ、ベッグタイプのリテーナー
ワイヤーとレジンによって歯を取り囲んでホールドするマウスピース型、プレート型のリテーナーです。設計は矯正担当医によって異なります。前歯の部分を取り囲んだタイプがホーレータイプ、前歯から大臼歯の後方まで取り囲んだタイプがベッグタイプになります。装着する時の維持力を考え付与されますので、クラスプと呼ばれるワイヤーの位置や設計は矯正医によって様々です。また、舌を前に出す癖がある方に使用されるクリブと呼ばれる機能を付与したり、様々な機能を付与することが可能です。これらのプレート型のリテーナーはクリアリテーナー とは異なり歯を全て多い囲んでいないため、比較的長持ちします。ただし落としてレジン部が割れたり、歯ぎしりによって金属部、もしくはロウ着部が破折したりすることがあります。修理ができる事もありますので、壊れた場合には一度リテーナーを持って行った方が良いかと思います。デメリットは大きいので喋りにくく、違和感が大きいです。また、前歯の部分がワイヤーなので目立ちやすいです。
↓クリブプレート
3、クリアボウリテーナー
ベッグタイプのリテーナーの前歯の金属部が目立つ弱点を改良したリテーナーです。金属を透明なラバーに切り替えています。現在、当院では矯正技工のアソインターナショナル社にて製作して頂いています。
4、裏側のFix(フィックス)固定リテーナー
前歯の裏側に細いワイヤーを接着させて固定する方法です。マウスピースタイプとは違いご自身で着脱はできません。特に下の前歯6本の裏側に行うことが多いです。奥歯までつなげるとこれがまた虫歯になりやすいのであまり奥歯まではやりません。
マウスピース型のリテーナーに比べ、歯磨きが難しくなるため虫歯や歯周病、歯石が溜まりやすくなるといったリスクはあります。定期的な歯科医院で行うクリーニングはマストになります。硬いものを食べた時に外れてしまうことももちろんあります。外れた場合には素早く付け直しをしないとズレる可能性があります。
上は下の歯が噛みこんでくるため、噛み合わせが深い方には難しいのとミラーがないと見えないのでお手入れがかなり難しいのであまり上の裏側Fix固定は当院ではあまり積極的にはオススメしてはいません。
裏側Fix固定の上からかぶせるマウスピースも製作できますので、クリアリテーナー との併用する場合もよくあります。
5、その他のリテーナー
スプリングリテーナー、トゥースポジショナー、他にもいくつかあります。
当院ではリテーナーのみの製作も承っておりますのでぜひご相談ください。
引っ越しをして通院していた矯正歯科に行けなくなってしまった、矯正歯科が閉院してしまった、矯正医師が退職してしまった、即日あるいは急ぎでリテーナーが必要になったなど困った場合にはぜひご連絡お待ちしております。