矯正歯科
ご自身の歯並びが気になったことはありませんか?出っ歯やすきっ歯などの名前を聞いたことがあると思いますが、歯並びが均等でなく前に出ていたりすき間ができていたりすると、歯並びが不正な可能性があります。矯正歯科では、こうした歯列をきれいに並べるための治療をします。
患者さまにとって歯並びを改善するモチベーションは、見た目を良くしたいという思いかもしれません。たしかに審美面が向上すれば口もとに自信が生まれ、笑顔も増えるというメリットがあります。それ以上に大事なこととして、噛み合わせが良くなって将来にわたりしっかり食事をとれるようになるという健康面のメリットがあります。歯の矯正は、心身ともに豊かになる治療であるといえるでしょう。
歯並びが悪い状態を「不正咬合」といいます。歯並びがデコボコしている、下顎が前に出ているなど、不正咬合にはさまざまな種類があります。
不正咬合をそのままにしておくと、食事でしっかり噛めなくなります。噛み砕けなかった食べ物が大きいまま体内に入り、胃腸に負担をかけることになります。また、歯を磨きづらい箇所ができてしまい、虫歯や歯周病を発症しやすくなります。長きにわたって健康な歯を維持するためにも、歯並びはきれいな方が良いといえます。
さらに、噛み合わせが悪いと顎に負担がかかって疲れやすくなり、肩こりや頭痛を引き起こすこともあります。
このように、不正咬合を放置することで日常生活に支障が出る可能性があります。
このような方におすすめしたい
歯列矯正というと、小学生や中学生が治療を受けているイメージがあるかもしれません。しかし、矯正歯科のニーズは成人にまで広がっており、近年は多くの大人が矯正の相談に訪れています。
口もとの見た目が気になるのは、お子さまより大人の方に多いでしょう。結婚式などのイベントや大事な商談など、歯をきれいに見せたい場面に備えて歯列矯正を受ける方もいらっしゃいます。
「矯正中は、口の中の装置が目立ってしまうのでは?」と心配する声もありますが、近年は装置そのものが白色や透明で目立たないものや、歯の裏側に装置をつけることで見えないようにする治療方法もあります。
また、将来の歯の健康を考える方にも矯正歯科は有効な治療だと考えています。以上のようなお悩みをおもちの方、ぜひご相談ください。
お子さまの検診の重要性と時期
幼少期に歯並びに問題があると、顎の成長方向や成長量に悪影響を及ぼすことが報告されています。もちろん、顎や骨格の形態は遺伝の影響を強く受けますが、生まれてからの後天的な影響もまた、骨格や歯並びを変えてしまうことがあるのです。
一方で、幼少期の虫歯の量によって将来的な口腔内環境がある程度決まってしまうことも明らかになっています。つまり、幼少期、成長期の口内環境が将来の歯の健康に強く影響を及ぼします。将来的な不正咬合や虫歯、歯周病を予防するために、当院では積極的な検診をすすめています。
しかしながら、とくに噛み合せの検診や歯列矯正の時期については、いつどのようにチェックや治療を行なえばよいか、なかなか情報がありません。
適切な矯正治療の時期というのは人によって異なります。したがって、4歳を過ぎたら無料矯正相談を受けるか、虫歯の検診を受ける際に歯並びについてご相談ください。費用については、矯正治療が必要になったあとのご相談で初めて発生しますので、ご安心ください。
お子さまの歯並びをご家族で一緒に考えることが重要です。お子さまの歯並びや矯正治療で気になることがありましたら、お気軽にご相談にお越しください。笑顔で過ごす毎日のためにできることを、矯正歯科医としてお手伝いします。
お子さまの埋伏歯(まいふくし)について
本来生えてくるはずなのに出てこない永久歯を埋伏歯(まいふくし)といい、7~15歳のお子さまで発生頻度が高くなっています。少しだけ萌出し顔を出してきてくれる場合や、内部に埋まっていることもあります。
こういった場合には、レントゲンやCTで内部の状況や歯の位置を正確に確認します。
歯の大きさと顎の骨の大きさやスペースの不一致、隣の歯の傾斜によって萌出を妨害しているなど、原因はさまざまです。
抜いてしまったほうが良いと判断した場合は相談・説明のうえ抜歯しますが、診断をして引っ張りだすことが可能な場合には、矯正治療によって牽引します。
当院では、可能な限り大切な歯を生かす方法を考えます。永久歯が長期間出てこない場合にはご相談ください。
次のような症状がある場合はぜひご相談ください
不正咬合にはさまざまな症例があります。歯並びが気になる場合はご相談ください。患者さまのお口の状態について診察し、状態や治療方法などを丁寧にご説明します。
- 前歯が反対に噛んでいる(反対咬合)
- 上顎が前に突き出ている(上顎前突、出っ歯)
- 前歯が深く噛み合う(過蓋咬合)
- 歯が顎に入り切らず、生える方向が乱れてガチャガチャしている(叢生)
- 噛んでも前歯同士が当たらない(開咬)
- 上下の前歯がちょうど噛んでいる(切端咬合)
- 小さいときから歯並びを気にしていましたが、そのまま年齢を重ねてしまいました。矯正治療は今からでも間に合うでしょうか。
- 矯正歯科を受けるのに、年齢制限はありません。
成人矯正では、お子さまのように顎のバランスを整えることができないので、歯そのものを移動させていきます。また、虫歯や歯周病がある場合は先に治療をしてから矯正に移ることになります。
- 矯正装置をつけていると、歯が磨きづらそうに見えます。虫歯になりませんか?
- 矯正装置がついた面は歯磨きが難しくなりますが、矯正治療の前に虫歯や歯周病を改善するので、清潔な状態で装置をつけることができます。また、矯正期間中も定期的にクリーニングをし、口内環境をきれいなまま保っていきます。
- 矯正に必要な期間はどれくらいでしょうか。
- 症例や歯が移動するスピード、抜歯が必要かどうか、といったさまざまな条件により異なります。
およその目安として1~2年、難しい症例ではそれ以上かかるケースもあります。
また、歯が移動した後は後戻りしないようにするため、保定装置を2~3年つけることになります。
- 矯正した後に再び歯並びが悪くならないか心配です。
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矯正後はリテーナーと呼ばれる保定装置をつけて後戻りしないようにしますが、まれに噛み癖などによって治療結果が合わず、歯並びが戻っていくこともあります。
症例や治療方法などから後戻りしやすいと考えられる場合は、リテーナーをより長く装着していただくことがあります。
- 歯並びが気になるのはごく一部だけです。そこだけ矯正することはできますか?
- 患部の不正がわずかなものである場合は、部分的な矯正が可能なケースもあります。ご希望の場合はご相談ください。
- 歯並びを整えるために抜歯することはありますか?
- なるべく抜歯しないで済むよう、歯を移動させるシミュレーションを行ないます。しかし、どうしても顎の中に歯列が収まらない場合は、歯を抜いて歯並びを整える治療方法をご提案することがあります。
- 矯正中は痛みはありますか?
- 矯正治療は歯に負荷をかけて動かすものです。そのため、はじめのうちは歯が浮くように感じたり、噛むと痛みを覚えたりすることがあります。こうした違和感も1~2週間の間に減少し、さらに治療を進めるうちに慣れていきます。